アルコール依存症とは?
アルコール依存症とは、飲酒を繰り返すことによって飲酒のコントロールができなくなる病気です。大切にしていた家族、仕事、趣味などよりも飲酒を優先することで、自分や家族の生活に悪影響を及ぼす可能性があります。
アルコールについて以下のようなことはありませんか?
2項目以上あてはまる場合は、アルコール依存症の可能性があります。
- 飲酒量を減らさなければと感じたことがある。
- 他人があなたの飲酒を非難するので気にさわったことがある。
- 自分の飲酒について悪いとか申し訳ないと感じたことがある。
- 神経を落ち着かせたり、二日酔いを治すために、「迎え酒」をしたことがある。
(アルコール依存症スクリーニングテスト「CAGE」より)
※さらに詳しいスクリーニングテストは、こちらのページ(大阪精神医療センター セルフチェック)もご参照ください。
不適切な飲酒による影響
不適切な飲酒によって以下のようなさまざまな影響が起こります。
身体への影響
- 肝炎・肝硬変・痛風・糖尿病・ガンなどの疾患
- 脳卒中・脳の萎縮・認知症などの脳への影響
- 急性アルコール中毒
精神症状
- イライラ
- 不眠
- 不安・うつ症状
- 幻覚・妄想
社会的な問題
- 飲酒運転・事故
- 触法行為・暴力
- 借金
- 仕事や人間関係のトラブル
家庭での問題
- 夫婦、親子間のトラブル
- 子どもへの影響
- 児童虐待・DV
その他
- 生活苦
- 外傷
- 救急搬送
アルコール依存症への平均的なプロセス
機会飲酒から習慣飲酒へ
はじめは付き合いで飲む程度だったが、毎日のように飲酒するようになる。
耐性の形成
飲んでいるうちに、酔うのに必要な酒量が増えていく。
ブラックアウトの頻発
前夜酔っていた時のことを思い出せなくなる。
精神依存の重篤化
飲むことばかりに気を取られるようになる。
連続飲酒発作と飲酒コントロールの喪失
1日中血液中のアルコールが抜けず、何も食べずに飲み続けるような状態になり、自分の意志ではお酒がやめられなくなる。
身体依存
飲まないと手指が震え、発汗するなどの症状が出現する。
アルコール依存症からの回復
アルコール依存症は回復できます。相談機関や医療機関、自助グループや回復施設等とつながって、回復の第一歩を踏み出してください。
回復を手助けする機関とつながり「アルコールを必要としない生き方」を身に付けることが重要です。
相談機関
精神保健福祉センターや保健所などでは、本人や家族等からの相談をお受けしています。
依存症の相談機関のページはこちら
精神科医療機関
薬物療法や精神療法などにより、治療を行っています。依存症の専門医療機関では、専門のプログラムなどを行っています。
依存症治療・研究センターや専門医療機関では、専門的な診察を受けることができます。
依存症の専門医療機関のページはこちら
自助グループ・回復施設・民間支援団体など
依存症から回復するためには、正直に自分の気持ちを言える場所があることや、孤立しないことが大切です。依存症の支援は、相談機関や医療機関だけでなく、自助グループ、回復施設、民間支援団体などでも行われています。
その他依存症関連機関(自助グループ・回復施設・民間支援団体など)のページはこちら
関連ページはこちら
大阪府こころの健康総合センター「自助グループとは」のページ
家族や周囲の人へ
依存症は本人を苦しめるだけでなく、以下のような形で周囲の人々を巻き込むことがあります。特に一番身近である家族への影響は大きく、慢性的なストレス状態におかれることもあります。家族だけで抱え込まずにまずはご相談ください。家族が相談機関や自助グループを利用することも本人の回復に役立ちます。
- 酔っているときの暴言・暴力
- 飲酒運転を繰り返す
- 仕事や学校を遅刻したり休んだりする
- 体調が悪い時でもお酒を飲む
- 睡眠や食事がおろそかになる
- 被害・嫉妬などの妄想がひどい
- 飲んでいることを隠す、嘘をつく
- 破損・借金などの後始末をさせられる
- 本人はお酒の問題を認めようとしない
- 「お酒で死んでもいい」などと言う
本人をサポートするためにも、まずは家族自身の健康や生活を大切にしましょう。
※このページは、大阪府こころの健康総合センター作成のリーフレット「アルコールの問題で困っている人のために」を参考に作成しています。
OATIS(大阪依存症包括支援拠点)
(OATIS事務局)
大阪府こころの健康総合センター
相談支援・依存症対策課
〒558-0056
大阪市住吉区万代東3-1-46
TEL 06-6691-2818
FAX 06-6691-2814