薬物依存症とは?
薬物依存症とは、大麻や麻薬、シンナーなどの依存性のある薬物を繰り返し使い続けているうちに、「やめたくても、やめられない」「ほどほどにできない状態」になることです。
意志や性格の問題ではなく、誰でも依存症になる可能性があり、特別な人だけがなるわけではありません。
いったん依存症になると、量や頻度がだんだんと増えていき、身体や心に悪影響を及ぼしたり、人間関係が損なわれたり、自分や家族の社会生活に悪影響を及ぼす可能性があります。
薬物依存症のサインには以下のようなものがあります。
- 薬物を使いたいという強い欲求がある。
- やめようとしたり、量を減らそうとしたりしてもコントロールできない。
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薬物の使用をやめたり、量を減らしたりすると、離脱症状(禁断症状)が出る。
(症状の例)不眠、過眠、抑うつ、不安、焦燥、幻覚、妄想、筋肉や関節の痛み、けいれん発作、食欲亢進、脱力、嘔吐、下痢、異常な発汗など。 - 薬物に「耐性」ができ、使用量が増える。
- 薬物使用中心の生活になる。
※そのほかのサインは、こちらのページ(大阪精神医療センター セルフチェック)もご参照ください。
依存性のある薬物
違法薬物
覚せい剤、大麻・ハシシュ、合成麻薬、コカイン、ヘロイン、LSD、MDMAなど
危険ドラッグ
ハーブ、アロマオイル、バスソルト、お香、リキッドなどの名前で販売されているもの
医療機関で処方される薬物
睡眠薬、抗不安薬(安定剤)などの向精神薬
一般のお店で買える薬物
鎮痛薬、咳止め薬、風邪薬、シンナーなどの有機溶剤、ライターのガス など
処方薬・市販薬への依存については、こちらのページもご参照ください。
回復の助けになる機関
薬物依存症は回復できます。
相談機関や医療機関、自助グループや回復施設等とつながって、回復の第一歩を踏み出してください。
回復を手助けする機関とつながり続けることが重要です。
相談機関
精神保健福祉センターや保健所などでは、本人や家族等からの相談をお受けしています。
依存症の相談機関のページはこちら
精神科医療機関
薬物療法や精神療法などにより、治療を行っています。依存症の専門医療機関では、認知行動療法などの専門のプログラム(※)などを行っています。
依存症治療・研究センターや専門医療機関では、専門的な診察を受けることができます。
依存症の専門医療機関のページはこちら
※依存症認知行動療法プログラム:薬物依存症に対する知識や、どのような時に薬物を使いたくなるか、その時どう対処するかなどを学び、具体的な対処スキルを身につけることを重視したプログラムです。
自助グループ・回復施設・民間支援団体など
依存症から回復するためには、正直に自分の気持ちを言える場所があることや、孤立しないことが大切です。依存症の支援は、相談機関や医療機関だけでなく、自助グループ、回復施設、民間支援団体などでも行われています。
その他依存症関連機関(自助グループ・回復施設・民間支援団体など)のページはこちら
関連ページはこちら
大阪府こころの健康総合センター「自助グループとは」のページ
家族や周囲の人へ
依存症は本人を苦しめるだけでなく、以下のような形で周囲の人々を巻き込むことがあります。特に一番身近である家族への影響は大きく、慢性的なストレス状態におかれることもあります。以下のような対応により少しでもストレスを減らすことができるように、まずはご相談ください。
家族などが相談する
家族だけで抱え込んでいませんか。家族などが相談機関や自助グループを利用することも、本人の回復に役に立ちます。
知る、学ぶ
薬物依存症についての正しい知識や対応方法を学びます。
- 薬物依存症は、意志の弱さや家庭環境からなるわけではない
- 統一した対応、一貫した態度をとる
- 脅しやその場しのぎの約束は、効果がないことが多いので控える
- 暴力から身を守るために、危険を感じたらその場から離れる
- 本人の薬物依存に関連する行動以外の活動に注目し、ほめる など
本人との関係をよいものにする
本人の回復を信じ、人格を尊重した上で、本人との関係をよいものにするために、日常のコミュニケーションを工夫します。具体的な方法は、相談機関などで一緒に考えることができます。
家族自身の健康や生活を大切にする
本人をサポートするためにも、まずは家族自身の健康や生活を大切にしましょう。
※このページは、大阪府こころの健康総合センター作成のリーフレット「薬物の問題で困っている人のために」を参考に作成しています。
OATIS(大阪依存症包括支援拠点)
(OATIS事務局)
大阪府こころの健康総合センター
相談支援・依存症対策課
〒558-0056
大阪市住吉区万代東3-1-46
TEL 06-6691-2818
FAX 06-6691-2814